抜け毛の本数だけでは判断できない理由

抜け毛の本数だけでは判断できない理由

シャンプーをするたびに排水溝に溜まる髪の毛、ドライヤーをかけた後に床に落ちている髪の毛。その量が多いと、「こんなに抜けて大丈夫だろうか」「AGAが進行しているのでは?」と不安になりますよね。抜け毛の本数は、薄毛の進行度を測る上で気になる指標ですが、実は本数だけでAGAかどうかを正確に判断することは難しいのです。健康な人でも、髪にはヘアサイクル(毛周期)があり、毎日自然に髪の毛は抜け落ちています。その本数は、一般的に1日あたり50本から100本程度と言われています。この範囲内であれば、基本的には生理的な抜け毛と考えて良いでしょう。しかし、この本数には個人差があります。元々の毛量が多い人は、抜ける本数も多くなる傾向があります。また、髪が長い人は、短い人に比べて抜け毛が目立ちやすく、多く感じてしまうこともあります。さらに、抜け毛の本数は常に一定ではなく、季節によって変動することが知られています。特に秋口は、夏の紫外線ダメージや気候の変化などの影響で、一時的に抜け毛が増える傾向があると言われています。また、生活習慣の乱れ(睡眠不足、ストレスなど)や、体調の変化によっても、一時的に抜け毛が増えることがあります。ですから、単に「今日、抜け毛が多かった」というだけで、すぐにAGAだと結論づけるのは早計です。一時的な要因による抜け毛である可能性も十分に考えられます。AGAを疑うべきより重要なサインは、抜け毛の本数だけでなく、「抜け毛の質」の変化です。前述の通り、AGAが進行すると、細く短い毛(軟毛)の抜け毛が増えてきます。また、「抜け毛が増えている状態が慢性的に続く」こともポイントです。一時的な増加ではなく、数ヶ月以上にわたって明らかに抜け毛が多い状態が続く場合は、注意が必要です。さらに、抜け毛だけでなく、「髪全体のボリューム感」や「髪質(ハリ・コシ)の変化」、「生え際や頭頂部の地肌の透け感」なども合わせて確認することが、AGAの可能性を判断する上で重要になります。抜け毛の本数はあくまで目安の一つとして捉え、質や持続性、他の症状と合わせて総合的に判断し、不安な場合は専門医に相談しましょう。