側頭部の薄毛とともに、かゆみやフケ、赤みといった「頭皮トラブル」の症状が現れている場合、それは頭皮環境が悪化しているサインかもしれません。頭皮の炎症などが原因で、抜け毛が増え、薄毛に繋がっている可能性があります。特に考えられるのが「脂漏性皮膚炎」です。脂漏性皮膚炎は、頭皮の皮脂が過剰に分泌され、それをエサとする常在菌「マラセチア菌」が異常増殖することで引き起こされる皮膚炎です。頭皮に赤みやかゆみ、そして黄色っぽく湿った、やや大きめのフケが現れるのが特徴です。皮脂の分泌が多い、生え際、頭頂部、そして側頭部にも症状が出やすい傾向があります。頭皮に炎症が起こると、毛穴周辺の環境が悪化し、毛根にもダメージが及びます。これにより、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えたり、髪が細くなったりして、結果的に薄毛(脂漏性脱毛症)を引き起こすのです。AGAとは異なり、炎症を伴うことが大きな特徴です。その他にも、シャンプーやヘアケア製品が肌に合わないことによる「接触皮膚炎」や、アトピー性皮膚炎の一部として頭皮に症状が現れることもあります。これらの場合も、かゆみや赤み、湿疹などを伴い、掻きむしることでさらに頭皮を傷つけ、抜け毛を悪化させる可能性があります。また、頭皮の「乾燥」もかゆみやフケの原因となり、バリア機能の低下から炎症を起こしやすくなるため、注意が必要です。側頭部の薄毛に、これらの頭皮トラブルが伴う場合は、まずその原因となっている皮膚炎やトラブルを治療することが最優先です。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、「皮膚科」を受診しましょう。医師は、頭皮の状態を診察し、原因に応じた適切な治療薬(抗真菌薬、ステロイド外用薬、保湿剤など)を処方してくれます。また、シャンプー選びや洗い方など、日々のヘアケアについてもアドバイスがもらえます。頭皮トラブルを改善し、健やかな頭皮環境を取り戻すことが、側頭部の薄毛改善への第一歩となります。
10月15