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フィンペシアによる副作用の可能性

フィンペシアによる副作用の可能性

フィンペシアの有効成分は、日本で承認されているプロペシアと同じ「フィナステリド」です。したがって、報告されている主な副作用も基本的にはプロペシアと同様と考えられます。フィンペシアの服用によって起こりうる副作用の可能性について知っておきましょう。最も注意が必要なのは、「性機能に関する副作用」です。フィナステリドは男性ホルモンの代謝に影響を与えるため、一部の人に以下のような症状が現れることが報告されています。・性欲減退(リビドー減退):性的な関心が低下する。・勃起機能不全(ED):十分な勃起が得られない、維持できない。・射精障害:射精時の感覚の変化や、射精に至らないなど。・精液量減少:射精される精液の量が減る。これらの副作用の発生頻度は、臨床試験では数パーセント程度とされていますが、個人差があります。多くは軽度で一時的なものですが、気になる場合は服用を中止する必要があります。次に、「肝機能障害」の可能性です。フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝臓に負担がかかることがあります。頻度は稀ですが、肝機能検査値(AST、ALTなど)の上昇や、倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状が現れる可能性があります。元々肝機能に問題がある方は特に注意が必要です。その他、頻度はさらに低いですが、「過敏症(発疹、かゆみなど)」「抑うつ気分」「めまい」「乳房の圧痛や腫れ(女性化乳房)」といった副作用も報告されています。また、服用を中止した後にも、これらの副作用の一部が持続する「ポストフィナステリドシンドローム(PFS)」と呼ばれる状態が稀に報告されていますが、その詳細はまだ不明な点が多いです。フィンペシアは個人輸入で入手することが多いため、もしこれらの副作用が現れた場合、すぐに医師に相談することが難しい状況にあるかもしれません。また、入手した製品が偽造品や粗悪品であった場合、予期せぬ健康被害が起こるリスクも考えられます。副作用のリスクを最小限に抑え、万が一の場合に適切な対応を受けるためには、やはり医師の管理下で、国内で承認された医薬品(プロペシアやそのジェネリック)を使用することが最も安全な選択と言えるでしょう。

母方の影響大?薄毛遺伝の経路

母方の影響大?薄毛遺伝の経路

「薄毛は母方の祖父に似る」という話を聞いたことはありませんか?これは単なる俗説ではなく、男性型脱毛症(AGA)の遺伝において、母方の家系からの影響が大きいことを示唆する、科学的な根拠に基づいた考え方なのです。なぜ母方の影響が大きいとされるのでしょうか。その理由は、AGAの発症に深く関わる「アンドロゲン受容体遺伝子」が、性染色体である「X染色体」上に存在しているためです。性染色体は、男性がXY、女性がXXという組み合わせを持っています。男性は、父親からY染色体を、母親からX染色体を受け継ぎます。一方、女性は、父親からX染色体を、母親からX染色体を受け継ぎます。つまり、男性が持つX染色体は、必ず母親由来である、ということです。そして、AGAのなりやすさを左右する重要な要素であるアンドロゲン受容体の感受性の高さは、このX染色体上にある遺伝子によって決まります。したがって、男性の場合、アンドロゲン受容体の感受性に関する遺伝情報は、母親を通じて、母方の祖父や曽祖父などから受け継がれている可能性が高いのです。これが、「薄毛は母方の祖父に似る」と言われる所以です。もちろん、AGAの発症には、アンドロゲン受容体だけでなく、DHTを生成する酵素である5αリダクターゼの活性(これは常染色体上の遺伝子によって決まると考えられています)や、その他の遺伝的要因、さらには生活習慣などの環境要因も関わってきます。ですから、母方の家系に薄毛の人がいるからといって、必ずしも自分が薄毛になるとは限りません。しかし、遺伝的リスクを考える上で、母方の家系の情報は非常に重要な手がかりとなることは間違いありません。父親だけでなく、母親側の親族の髪の状態にも目を向けることが、自身の薄毛リスクを推測する上で役立ちます。