薄毛男性がヘアブラシを選ぶといっても、その目的によって適したブラシの種類は異なります。「頭皮ケアをしたい」「髪をセットしたい」「シャンプー時に使いたい」など、目的に合わせたブラシを選ぶことで、より効果的なケアやスタイリングが可能になります。ここでは、目的別におすすめのブラシの種類をご紹介します。「頭皮マッサージ・血行促進」が目的の場合:前述した「クッションブラシ」や「パドルブラシ」が最適です。クッション性が高く、ピンの先端が丸いものが頭皮に優しく、心地よい刺激を与えて血行を促します。天然毛や木製のピンのものを選ぶと、静電気も防げて一石二鳥です。「髪のもつれを解く・髪を整える」のが目的の場合:まずは目の粗い「スケルトンブラシ」や「デンマンブラシ」などで、毛先から優しくもつれを解きほぐします。その後、髪全体を整える際には、「クッションブラシ」や、髪にツヤを与えたいなら「天然毛ブラシ(豚毛など)」を使うのがおすすめです。無理に引っ張らず、優しくとかすことを心がけましょう。「スタイリング(ボリュームアップ・毛流れ作り)」が目的の場合:ドライヤーと合わせて使うなら、「ロールブラシ」や「デンマンブラシ」が役立ちます。ロールブラシは、髪を巻き付けてドライヤーの熱を当てることで、カールをつけたり、根元を立ち上げてボリュームを出したりするのに適しています。デンマンブラシは、髪にテンションをかけやすく、ブローで毛流れを整えたり、ツヤを出したりするのに使われます。髪質や作りたいスタイルに合わせて、ブラシの大きさや形状を選びましょう。「シャンプー時の洗浄・マッサージ」が目的の場合:シリコンなどの柔らかい素材でできた「シャンプーブラシ」がおすすめです。指だけでは届きにくい毛穴の汚れを掻き出し、頭皮をマッサージする効果も期待できます。ただし、力を入れすぎると頭皮を傷つける可能性があるため、優しく使うことが大切です。このように、一口にヘアブラシと言っても、その種類と用途は様々です。自分の目的や髪の状態に合わせて、適切なブラシを使い分けることが、効果的な頭皮ケアとスタイリング、そして薄毛対策に繋がるのです。
月別アーカイブ: 7月 2023
肝機能障害?AGA薬の副作用リスク
AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、比較的安全性の高い薬とされていますが、医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。その副作用の一つとして、頻度は稀ながら「肝機能障害」が報告されています。治療を受けるにあたっては、このリスクについて知っておく必要があります。肝機能障害とは、何らかの原因で肝臓の細胞がダメージを受け、その働きが低下してしまう状態を指します。AGA治療薬が原因で肝機能障害が起こる正確なメカニズムは不明な点もありますが、薬の成分そのもの、あるいはその代謝物が肝臓に負担をかけたり、アレルギー反応のような形で肝細胞を傷つけたりする可能性が考えられます。肝機能障害の症状としては、初期には自覚症状がないことも多いですが、進行すると「倦怠感(体がだるい)」「食欲不振」「吐き気」「黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)」「尿の色が濃くなる」といった症状が現れることがあります。これらの症状に気づいた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。AGA治療薬による肝機能障害の発生頻度は、臨床試験などでは非常に低いと報告されています。多くの方は、問題なく服用を継続できています。しかし、元々肝臓に病気(肝炎、肝硬変、脂肪肝など)を持っている方や、日常的にお酒を多く飲む習慣がある方、あるいは他の薬(特に肝臓で代謝される薬)を多数服用している方などは、肝臓への負担が大きくなりやすく、より注意が必要となります。そのため、AGA治療薬の服用を開始する前には、医師による問診や、必要に応じて血液検査による肝機能のチェックが行われることが一般的です。そして、治療中も、定期的に血液検査(AST、ALT、γ-GTPなどの数値を測定)を行い、肝機能に異常が出ていないかを確認することが推奨されます。もし検査で異常値が見つかった場合は、医師の判断により、薬の減量や休薬、あるいは治療の中止といった措置が取られます。肝機能障害のリスクは低いとはいえ、ゼロではありません。自分の健康状態を過信せず、医師の指示に従って定期的なチェックを受け、何か異変を感じたらすぐに相談するという姿勢が、安全なAGA治療のためには不可欠です。
円形脱毛症こめかみに発症するケース
こめかみ部分に、ある日突然、円形や楕円形の脱毛斑(ハゲ)ができているのを発見したら、それは「円形脱毛症」かもしれません。円形脱毛症は、頭部のどの部分にでも発症する可能性があり、こめかみも例外ではありません。男性型脱毛症(AGA)や牽引性脱毛症とは異なる原因と特徴を持っています。円形脱毛症は、免疫システムの異常により、自分の毛根組織を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つと考えられています。なぜ免疫異常が起こるのか、その正確な原因はまだ不明ですが、精神的なストレス、肉体的な疲労、感染症、遺伝的素因などが発症の引き金となる可能性が指摘されています。症状の現れ方は、AGAのように徐々に薄くなるのではなく、比較的「突然」に、境界がはっきりとした脱毛斑が出現するのが特徴です。こめかみにできた場合、その部分の髪がごっそりと抜け落ち、地肌が露出します。大きさは様々で、10円玉くらいのこともあれば、もっと大きいこともあります。1箇所だけ(単発型)の場合もあれば、複数箇所にできたり(多発型)、側頭部から後頭部の生え際に沿って帯状に脱毛する「蛇行型」と呼ばれるタイプが、こめかみ部分に及ぶこともあります。通常、脱毛斑の皮膚自体に異常は見られず、痛みやかゆみも伴わないことが多いですが、軽いかゆみや違和感を感じる人もいます。脱毛斑の周りの毛が切れやすくなっていることもあります。円形脱毛症は、自然に治癒することも多い病気ですが、症状が拡大したり、再発を繰り返したり、あるいは全頭型(頭全体の毛が抜ける)などに進行してしまうケースもあります。そのため、自己判断で放置せず、必ず「皮膚科」を受診することが重要です。皮膚科医は、視診やダーモスコピーなどで診断を行い、症状の範囲や重症度に応じて治療方針を決定します。治療法としては、ステロイド外用薬や局所注射、紫外線療法、液体窒素療法、局所免疫療法などが用いられます。ストレスが誘因と考えられる場合は、ストレス管理に関するアドバイスも行われます。こめかみに円形の脱毛を見つけたら、AGAなどと混同せず、速やかに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
なぜ未承認?日本のフィンペシア事情
フィンペシアは、有効成分フィナステリドを含み、海外ではAGA治療薬として広く流通している国もありますが、日本では「未承認薬」という扱いになっています。なぜ日本では承認されていないのでしょうか。それには、日本の医薬品承認制度が関係しています。日本国内で医薬品を製造・販売するためには、厚生労働省による厳格な審査を受け、その有効性と安全性が確認され、「承認」を得る必要があります。この承認プロセスには、基礎研究、非臨床試験(動物実験など)、そしてヒトを対象とした臨床試験(治験)といった段階があり、そこで得られた科学的なデータに基づいて審査が行われます。品質管理体制や製造方法なども厳しくチェックされます。フィンペシアは、主にインドの製薬会社などが製造していますが、これらの企業が、日本の厚生労働省に対して、日本の基準に基づいた承認申請を行い、審査をクリアしていないため、国内では未承認薬となっているのです。海外で承認・販売されている医薬品であっても、日本の基準を満たし、承認申請がなされなければ、国内では未承認薬となります。未承認薬であるということは、日本の公的な審査を経て有効性や安全性が確認されていない、ということを意味します。また、国内での正規流通がないため、医師が処方することも基本的にはできず、入手方法は個人輸入などに限られます。そして、万が一、未承認薬を使用して副作用などの健康被害が生じた場合でも、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり、公的な補償を受けることができません。同じ有効成分フィナステリドを含む薬剤としては、すでに日本国内で承認されている「プロペシア」とその「ジェネリック医薬品」が存在します。これらは、国の審査を経て有効性と安全性が確認されており、医師の処方箋があれば国内で入手可能です。また、副作用被害救済制度の対象にもなります。したがって、安全性や確実性を考慮すれば、日本では未承認のフィンペシアではなく、国内で承認されているフィナステリド製剤を、医師の診察・処方のもとで使用することが、賢明かつ安全な選択と言えるでしょう。