男性型脱毛症(AGA)の治療で中心的な役割を果たす内服薬、フィナステリド(プロペシアなど)やデュタステリド(ザガーロなど)。これらの薬はAGAの進行抑制に効果を発揮しますが、服用を検討する上で、体への影響、特に「肝臓」との関係性について理解しておくことが重要です。なぜなら、これらのAGA治療薬は、主に肝臓で代謝される(分解・処理される)からです。肝臓は、私たちの体に入ってきた薬やアルコール、老廃物などを分解し、無毒化して体外へ排出するという、非常に重要な解毒作用を担っています。フィナステリドやデュタステリドを服用すると、有効成分は血流に乗って全身を巡り、毛根で作用した後、最終的に肝臓で代謝され、その多くが便や尿として排泄されます。つまり、AGA治療薬の服用中は、肝臓が常に薬の成分を処理するために働いている状態になるわけです。健康な肝臓であれば、通常の用法・用量を守っている限り、これらの薬を代謝することは大きな問題とはならない場合が多いです。しかし、元々肝機能が低下している方や、他の薬も服用していて肝臓に負担がかかっている方、あるいは体質的に薬の代謝が苦手な方などの場合は、注意が必要となります。肝臓での代謝がスムーズに行われないと、薬の成分が体内に蓄積しやすくなり、副作用のリスクが高まる可能性があります。また、稀ではありますが、AGA治療薬の副作用として「肝機能障害」が報告されていることも事実です。そのため、AGA治療薬の服用を開始する前や、服用中は、医師による肝機能のチェックが推奨される場合があります。AGA治療薬と肝臓の関係性を正しく理解し、自分の健康状態を考慮した上で、医師の指導のもとで安全に治療を進めることが大切です。
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食事で摂りたい亜鉛豊富な食べ物
髪の健康に欠かせないミネラル、亜鉛。サプリメントで補うこともできますが、まずは日々の「食事」から意識的に摂取することが基本です。亜鉛は様々な食品に含まれていますが、特に含有量が多いとされる代表的な食べ物をご紹介します。毎日の食卓に上手に取り入れてみましょう。亜鉛が非常に豊富に含まれる代表的な食材が「牡蠣(かき)」です。「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣は、ミネラルの宝庫であり、亜鉛の含有量は全食品の中でもトップクラスです。生牡蠣、焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣鍋など、様々な調理法で楽しめますが、加熱しても亜鉛が大幅に失われることは少ないとされています。次に、肉類では「レバー(特に豚レバー)」や「牛肉(特に赤身)」に多く含まれています。レバーは鉄分やビタミンA、B群も豊富ですが、食べ過ぎには注意が必要です(特に妊娠中の方)。牛肉は、ランプやももなどの赤身の部分に亜鉛が多く含まれています。魚介類では、牡蠣以外にも「うなぎ」や「ホタテ」、「煮干し」などにも比較的多く含まれています。種実類では、「カシューナッツ」や「アーモンド」、「かぼちゃの種」なども亜鉛の良い供給源です。おやつや料理のトッピングとして手軽に取り入れられます。その他、「卵(特に卵黄)」、「チーズ」、「高野豆腐」、「納豆」などの大豆製品にも亜鉛は含まれています。これらの食品をバランス良く食事に取り入れることが理想的です。ただし、亜鉛は体内で吸収されにくいミネラルの一つでもあります。吸収率を高めるためには、いくつかの工夫があります。動物性タンパク質や、「ビタミンC」(野菜、果物など)、「クエン酸」(レモン、梅干しなど)を一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が促進されると言われています。逆に、加工食品に多く含まれるリン酸塩や、穀類や豆類に含まれるフィチン酸、過剰な食物繊維、カルシウムなどは、亜鉛の吸収を妨げる可能性があるため、注意が必要です。また、アルコールの過剰摂取も亜鉛の排泄を促してしまいます。これらの知識を参考に、日々の食事で上手に亜鉛を摂取し、健やかな髪の土台作りを目指しましょう。