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髪型が原因?牽引性脱毛症の可能性

髪型が原因?牽引性脱毛症の可能性

こめかみ部分の薄毛が気になる場合、AGA(男性型脱毛症)以外に考えられる原因として「牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)」があります。これは、特定の髪型や習慣によって、髪の毛が継続的に強く引っ張られることで、その部分の毛根に負担がかかり、脱毛を引き起こす状態です。特に女性に多く見られますが、男性でも起こりえます。牽引性脱毛症の原因は、文字通り「髪への物理的な牽引力」です。例えば、毎日同じ位置できつく結ぶポニーテールやお団子ヘア、編み込み、ドレッドヘアなどは、生え際、特にこめかみや額のサイド部分に強い張力がかかりやすく、牽引性脱毛症を引き起こす代表的な髪型です。また、ヘアバンドやカチューシャを長時間、常に同じ位置で使用することも、こめかみ部分の毛根に圧迫や摩擦を与え、脱毛の原因となることがあります。バレエダンサーやスポーツ選手など、特定の髪型を日常的に行う必要がある職業の方にも見られることがあります。男性の場合でも、長髪をきつく後ろで結んだり、常にオールバックで髪を強く引っ張るようなスタイリングを続けたりしていると、発症する可能性があります。症状としては、髪を引っ張っている部分、特にこめかみ周辺や生え際の毛が細くなったり、抜け毛が増えたり、産毛のようになったりします。進行すると、その部分の毛髪密度が低下し、地肌が透けて見えるようになります。時には、かゆみや痛み、毛穴周りの小さなブツブツ(毛嚢炎)を伴うこともあります。牽引性脱毛症の最大の特徴は、原因がはっきりしていることです。そのため、対策も明確で、「原因となっている髪型や習慣をやめること」が最も重要です。髪型を変えたり、結び方を緩めたり、分け目を変えたりすることで、毛根への負担を取り除けば、多くの場合、時間はかかりますが、毛髪は再び生えてきます。ただし、長期間にわたって強い牽引力がかかり続け、毛根が回復不能なダメージを受けてしまうと、髪が生えてこなくなる可能性もあります。もし、特定の髪型を始めてからこめかみの薄毛が気になり始めた、あるいは髪を結ぶと痛みを感じる、といった場合は、牽引性脱毛症の可能性を疑い、早めに髪型や習慣を見直すことが大切です。