月別アーカイブ: 12月 2022

AGAとは?脱毛症の基本を知る

AGAとは?脱毛症の基本を知る

AGA(Androgenetic Alopecia)とは、「男性型脱毛症」の略称で、成人男性に最も多く見られる進行性の脱毛症のことです。思春期以降に発症し、徐々に薄毛が進行していくのが特徴です。髪の悩みを持つ多くの男性にとって、その原因や症状について関心が高いのではないでしょうか。AGAは、単なる老化現象とは異なり、特定のメカニズムによって引き起こされる疾患として認識されています。その主な原因は、「遺伝的要因」と「男性ホルモンの影響」です。具体的には、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、特定の酵素(5αリダクターゼ)によって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛根(毛包)にある受容体と結合することで、髪の成長が妨げられてしまうのです。AGAの症状の現れ方には特徴的なパターンがあります。額の生え際が後退していく「M字型」や、頭頂部(つむじ周辺)が薄くなる「O字型」、あるいはその両方が同時に進行するパターンが多く見られます。これは、前頭部や頭頂部の毛根が、DHTの影響を特に受けやすいためです。一方で、側頭部や後頭部の髪は比較的影響を受けにくいため、これらの部分は薄毛になりにくい傾向があります。AGAは進行性であり、放置すると薄毛は徐々に広がっていきます。自然に治癒することは期待できません。しかし、現在ではAGAのメカニズムに基づいた有効な治療法(内服薬や外用薬など)が開発されており、早期に治療を開始すれば、進行を抑制したり、改善したりすることが可能です。まずは、AGAがどのような脱毛症なのか、その基本的な特徴を理解することが、悩みと向き合う第一歩となります。

更年期が境目?女性ホルモンと薄毛

更年期が境目?女性ホルモンと薄毛

40代後半から50代にかけて訪れる「更年期」は、女性の体にとって大きな転換期です。様々な心身の変化が現れますが、髪に関しても「薄毛」や「抜け毛」といった悩みが顕著になりやすい時期として知られています。なぜ更年期が薄毛の境目となりやすいのか、その背景にはやはり「女性ホルモン」の急激な変化があります。更年期になると、卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が大幅に減少します。このエストロゲンの減少が、髪に様々な影響を及ぼすのです。まず、エストロゲンには髪の成長期を長く維持する働きがあるため、その分泌が減ることで「ヘアサイクルが乱れ」ます。成長期が短くなり、相対的に休止期の割合が増えるため、一本一本の髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、結果として「抜け毛が増加」し、髪全体の「ボリュームがダウン」します。また、エストロゲンは髪のハリやコシ、ツヤにも関与しているため、その減少によって「髪質が変化」し、細く、弱々しく、パサついた印象になりやすくなります。さらに、エストロゲンの減少は、体内の「ホルモンバランス全体の変化」も引き起こします。女性の体内にも存在する男性ホルモン(アンドロゲン)の影響が相対的に強まるのです。この男性ホルモンが毛根に作用し、髪の軟毛化や抜け毛を引き起こす「女性男性型脱毛症(FAGA)」の発症リスクを高めます。FAGAは、特に頭頂部の分け目を中心に薄毛が進行するパターンが特徴です。このように、更年期におけるエストロゲンの急激な減少は、ヘアサイクルの乱れ、髪質の低下、そして男性ホルモンの影響増大という複数の要因を通じて、薄毛を引き起こしやすくするのです。もちろん、加齢による自然な変化や、ストレス、生活習慣なども影響しますが、ホルモンバランスの変化が大きな引き金となることは間違いありません。更年期の薄毛は、多くの女性が経験する可能性のある変化です。そのメカニズムを理解し、適切なケアや対策(生活習慣改善、ヘアケア、必要であれば専門医への相談など)を行うことが、悩みを軽減し、健やかな髪を保つために重要となります。