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寝不足続きで薄毛が進行した私の後悔と回復の記録
30代半ば、プロジェクトリーダーを任された私は、連日の残業とプレッシャーで平均睡眠時間が3時間を切るような生活を半年ほど続けていました。当時は「寝る間も惜しんで働くのが美徳」だと信じ込み、眠気覚ましにカフェインを大量に摂取し、食事もコンビニ弁当で済ませる日々でしたが、ある日、美容室の鏡で自分の後頭部を見た時に血の気が引きました。つむじ周辺の地肌が丸見えになり、髪全体が枯れた植物のようにパサパサで、明らかにボリュームがなくなっていたのです。シャンプーをするたびに排水溝が詰まるほどの抜け毛があり、枕元には無数の毛が散らばっていました。このままではハゲるという恐怖に駆られ、私は仕事のやり方を見直し、睡眠時間を確保することを最優先事項に決めました。まずは無理やりにでも6時間の睡眠時間を確保し、寝る1時間前にはスマホを封印し、湯船に浸かって体を温めるようにしました。最初のうちは体が緊張してなかなか眠れませんでしたが、徐々に深く眠れるようになると、まず朝の目覚めが変わり、肌の調子が良くなりました。そして睡眠改革を始めてから3ヶ月が経った頃、抜け毛の量が目に見えて減り始め、半年後には髪の根元が立ち上がり、美容師さんにも「髪にコシが戻ってきましたね」と驚かれるまでになりました。失った髪を取り戻すのは簡単ではありませんでしたが、睡眠こそが最高の薬であることを身をもって痛感しました。もし今、忙しさを理由に睡眠を削っている人がいるなら、それは自分の髪の寿命を削っているのと同じだと伝えたいです。仕事は代わりがいますが、あなたの髪の代わりはありません。
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AGA治療をやめるとどうなるのか
長期間にわたるAGA治療の末、抜け毛は減り、髪のボリュームも、満足のいくレベルまで回復した。では、この状態で治療をやめたら、どうなるのでしょうか。「もう髪は元に戻ったのだから、薬を飲み続けなくても大丈夫だろう」。そう考えるのは、非常に危険な、そして残念な誤解です。AGA治療をやめた瞬間に、あなたの髪は、再び、薄毛が進行していた、あの頃へと逆戻りを始めてしまいます。なぜなら、AGA治療薬は、AGAという病気を「完治」させているわけではなく、あくまでも、薬の力で、その進行を「抑制」しているに過ぎないからです。AGAの根本原因である、遺伝的な体質や、男性ホルモンの働きそのものが、薬によって変わったわけではありません。フィナステリドやデュタステリドの服用をやめれば、抑制されていた5αリダクターゼは、再び活発に活動を開始し、脱毛ホルモンであるDHTを、猛烈な勢いで生成し始めます。その結果、正常化していたヘアサイクルは、再び乱れ始め、髪の成長期は短縮され、せっかく太く、長く成長していた髪の毛も、次々と細く、短いまま抜け落ちていきます。ミノキシジルの使用をやめれば、頭皮の血行は元の状態に戻り、毛母細胞への栄養供給も減少します。治療によって得られた効果は、残念ながら、治療を中断すれば、数ヶ月から1年程度の時間をかけて、ゆっくりと、しかし確実に、失われていってしまうのです。それは、まるで、ダムの決壊を、必死で手で押さえていたのに、その手を離してしまったようなものです。AGA治療は、一度始めたら、その効果を維持したいと願う限り、「生涯にわたって、継続する必要がある治療」である、ということを、私たちは覚悟しなければなりません。もちろん、医師と相談の上で、薬の量を調整したり、より安価なジェネリック医薬品に切り替えたりといった、負担を軽減する方法はあります。しかし、「やめたら元に戻る」。この厳しい現実を、常に心に留めておく必要があります。
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初期脱毛はAGA治療が効いている証拠
AGA治療を開始して、1ヶ月ほど経った頃。抜け毛が減ることを期待していたのに、逆に、シャンプーの時や、朝、枕を見た時の抜け毛の量が、以前よりも増えている。この現象に、多くの人が「薬が合わないのではないか」「症状が悪化しているのではないか」と、強い不安と恐怖を感じ、治療を中断してしまいがちです。しかし、この、治療初期に見られる一時的な抜け毛の増加、通称「初期脱毛」は、実は、治療が順調に進んでいることを示す、非常にポジティブな「好転反応」なのです。なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。それは、AGA治療薬が、乱れてしまったヘアサイクルを、正常な状態へと「リセット」しているために起こります。AGAによって、成長期が短縮され、十分に成長できずにいた、弱々しく、不健康な髪の毛(休止期の毛)が、頭皮に多数、残存しています。そこに、AGA治療薬が作用し、毛母細胞の活動が活発化すると、その下から、新しく、健康で、力強い髪の毛が「生え始め」ます。そして、この新しい髪の毛が、古い、不健康な髪の毛を、押し出すようにして、成長してくるのです。この「世代交代」の過程で、古い髪の毛が一斉に抜け落ちる。これが、初期脱毛の正体です。つまり、初期脱毛は、いわば「髪の毛の大掃除」であり、新しい髪が育つためのスペースを確保するための、必要不可欠なプロセスなのです。この現象は、通常、治療開始後、2週間から1ヶ月半頃に始まり、1ヶ月から2ヶ月程度で、自然に治まります。抜け毛の量には個人差があり、不安になる気持ちは分かりますが、ここで治療をやめてしまうのは、非常にもったいないことです。初期脱毛は、あなたの頭皮の下で、新しい命が力強く芽吹いている証拠。それは、未来への希望のサインなのだと、前向きに捉えることが大切です。