フィンペシアは、日本国内では未承認の医薬品であるため、入手するためには、インターネット上の個人輸入代行サイトなどを利用するのが一般的です。その手軽さと価格の安さから、多くの人がこの方法を選んでいますが、その裏側には、あなたの健康を脅かす、極めて重大な危険性が潜んでいることを、強く認識しなければなりません。個人輸入における最大のリスク、それは「偽造品の存在」です。送られてきた薬が、本当に本物のフィンペシアであるという保証はどこにもありません。悪質な業者が製造した偽造品には、有効成分であるフィナステリドが全く含まれていない「偽薬」や、規定量より少ない、あるいは多すぎるもの、さらには、全く異なる成分や、健康に有害な不純物が混入している可能性さえあります。見た目だけで本物か偽物かを見分けることは、専門家でも不可能です。効果がないどころか、予期せぬ健康被害を引き起こす危険性と、常に隣り合わせなのです。第二のリスクは、「品質管理の問題」です。たとえ本物であったとしても、その品質が保証されているわけではありません。インドで製造されたフィンペシアが、どのような環境で保管され、どのようなルートで輸送されてきたのか、私たちには知る由もありません。高温多湿な環境下に長期間置かれていれば、有効成分は劣化し、期待される効果を発揮できない可能性があります。また、過去に問題となった、日本では使用が認められていない添加物「キノリンイエロー」が、現在も使用されている古いロットの製品が送られてくる可能性も否定できません。そして、最も深刻なのが、「健康被害が起きた際の救済制度が適用されない」という事実です。日本国内で正規に承認された医薬品を、医師の処方に従って正しく使用したにもかかわらず、重篤な副作用が起きた場合には、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度によって、医療費や年金などが給付されます。しかし、個人輸入した未承認薬によって健康被害が生じた場合、この制度は一切適用されません。治療にかかる費用も、その後の生活への影響も、すべてが「自己責任」となるのです。副作用が出た際に相談できる医師を見つけることさえ、困難を極めるでしょう。個人輸入は、安さというメリットと引き換えに、あなたの健康そのものを賭ける、極めてリスクの高い「ギャンブル」なのです。