プロペシアの服用方法は「1日1回1錠」と非常にシンプルですが、そのシンプルさゆえに、自己判断で誤った飲み方をしてしまうケースが後を絶ちません。良かれと思って行った行為が、かえって効果を損なったり、副作用のリスクを高めたりする可能性があります。ここでは、絶対にやってはいけない、代表的なNGな飲み方を3つご紹介します。一つ目は、「飲み忘れた分を、翌日にまとめて飲む」ことです。例えば、昨日飲み忘れたからといって、今日2錠を一度に服用するのは絶対にやめてください。プロペシアの効果は、服用する錠剤の数に比例して高まるわけではありません。むしろ、一度に多量の成分を摂取することで、副作用のリスクを高めてしまう可能性があります。もし飲み忘れた場合は、その日の分は諦め、翌日からまた通常通り1日1錠の服用を再開しましょう。二つ目は、「効果を高めようと、自己判断で量を増やす」ことです。「早く効果を実感したいから」と、処方された量以上に、1日に2錠や3錠を服用する行為は極めて危険です。プロペシアの用法・用量は、臨床試験に基づいて、効果と安全性のバランスが最も良いとされる量に設定されています。過剰な摂取は、効果を高めることには繋がらず、肝臓への負担を増やしたり、性機能障害などの副作用を引き起こす可能性を高めたりするだけです。三つ目は、「効果が出ないからと、短期間で服用をやめてしまう」ことです。髪にはヘアサイクルがあり、プロペシアの効果を実感するまでには、最低でも3ヶ月、一般的には6ヶ月以上の継続が必要です。最初の1〜2ヶ月で目に見える変化がないからといって諦めてしまうのは、最ももったいないケースです。プロペシア治療は、医師に処方された用法・用量を、根気よく守り続けること。それこそが、安全かつ効果的に治療を進めるための唯一の正しい道なのです。