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フィンペシアとプロペシア、何が同じで何が違うのか
AGA治療を考えた時、必ずと言っていいほど比較対象となる「フィンペシア」と「プロペシア」。どちらも有効成分は「フィナステリド」であり、その効果は同じはず。では、この二つの薬の具体的な違いは何なのでしょうか。価格、安全性、そして品質。それぞれの側面から、その違いを詳しく見ていきましょう。まず、明確に「同じ」なのは、その主たる効果です。どちらも有効成分としてフィナステリドを1mg含有しており、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで、抜け毛を防ぎ、薄毛の進行を食い止めるという作用機序は全く同一です。したがって、理論上は、同等の治療効果が期待できます。では、何が「違う」のでしょうか。第一に、そして最大の違いは「価格」です。フィンペシアは、プロペシアのジェネリック医薬品(後発医薬品)です。先発薬であるプロペシアの開発には、莫大な研究開発費と長い年月がかかっていますが、ジェネリックであるフィンペシアは、そのコストを大幅に削減できるため、非常に安価に提供されています。AGA治療は長期にわたるため、この経済的なメリットは、フィンペシアが選ばれる最大の理由と言えるでしょう。第二の違いは、「添加物」と「品質管理」です。薬は、有効成分だけでできているわけではなく、錠剤を固めたり、コーティングしたりするための様々な添加物が含まれています。プロペシアは日本の厳しい基準をクリアした添加物を使用し、徹底した品質管理のもとで製造されています。一方、フィンペシアはインドの製薬会社による製品であり、その製造基準や品質管理は日本のものとは異なります。過去には、フィンペシアのコーティング剤として使用されていた「キノリンイエロー」という黄色系の着色料が、日本では発がん性の疑いから食品添加物としての使用が禁止されており、その安全性が問題視されたこともありました(現在は改善されたとされています)。そして第三の違いは、「承認の有無」と「入手経路」です。プロペシアは、日本国内で厚生労働省から承認を受けた正規の医薬品であり、必ず医師の処方が必要です。一方、フィンペシアは国内未承認薬のため、医療機関では処方されず、入手するには個人輸入代行サイトなどを利用するのが一般的です。この入手経路の違いが、後述する様々なリスクに繋がっていきます。
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もし体調に異変を感じたら?プロペシア服用の安全対策
プロペシアは、多くの国で承認され、その安全性は比較的高いとされている医薬品です。しかし、どのような薬にも、副作用のリスクはゼロではありません。万が一、服用中に「何かおかしい」と感じた時に、パニックにならず、冷静に、そして正しく対処する方法を知っておくことは、安全な薄毛治療を続ける上で極めて重要です。プロペシアの主な副作用として報告されているものには、「性欲減退」「勃起機能不全(ED)」「射精障害」といった男性機能に関するものや、「肝機能障害」などがあります。その頻度は数パーセント程度と高くはありませんが、実際に自分の身に起きた場合、大きな不安を感じるのは当然のことです。もし、プロペシアの服用を開始してから、これらの症状や、あるいはここに挙げられていない何らかの体調の変化を自覚した場合には、以下のステップで行動してください。まず、最もやってはいけないのが、「我慢して服用を続ける」ことと、「自己判断で急に服用を中止する」ことです。我慢すれば症状が悪化する可能性がありますし、急に中止すれば、せっかくの治療効果が失われてしまうかもしれません。取るべき行動は、ただ一つです。それは、「直ちに、処方を受けた医師に相談する」ことです。電話でも構いません。まずは、いつから、どのような症状が出ているのかを、正直に、そして具体的に伝えましょう。医師は、その症状がプロペシアの副作用によるものなのか、あるいは他の要因によるものなのかを判断し、専門的なアドバイスをしてくれます。例えば、症状が軽微であれば、しばらく様子を見るという選択肢もあります。副作用は、体が薬に慣れるにつれて、自然に軽減していくこともあるからです。あるいは、医師の判断で、一時的に服用を休止する「休薬」や、服用量を減らす「減薬」といった措置が取られることもあります。大切なのは、あなた一人で悩まないことです。AGA治療は、医師という専門家との二人三脚です。体調の変化は、あなたの体が発している重要なサインです。そのサインを見逃さず、すぐにパートナーである医師に共有すること。それこそが、リスクを最小限に抑え、安全なゴールを目指すための、最も賢明な方法なのです。